早嶋です。
今年の9月より、全面的に酒類販売免許が自由化されます。これは、与党が酒類販売の新規出店を一部地域で制限していた、種類小売業者経営改善等緊急措置法、なるものを再延長しない方針を固め、特例措置を8月末に失効することが確実になったためです。これによって、9月以降はスーパーやコンビニなど全国各地で酒類販売が参入できるようになります。
酒類販売の自由化までの経緯は、98年に免許の要件を段階的に撤廃することが表明され、01年に新設店と既存店の一定距離を置くという、距離基準が撤廃されました。そして、03年に、地域人口当たりの免許枠を定めた人口基準が廃止されます。この時が、自由化の始まりでしたが、まだ、無条件で誰でも、どこでも酒類販売を行えませんでした。これは、経営に大きな影響を受ける一部地域の中小零細企業の酒店を保護するために自民党などが、経営困難に陥っているなどと言った一定条件を満たした全国1274地域を対象に、例外的に出店の規制と言った特別措置を定めていたからです。
上記の特例は制定から2年間の時限法でしたが、個人経営者の酒店などを中心とした団体が再延長を求め05年に1年の延長が決まりました。しかし、今年は中小酒販売店の業界団体が関係していた業務上横領事件によって政治活動を自粛していたため、延期の法案提出が間に合わず時間切れとなったのです。
完全自由化が実現するまでに約10年近く経過したことになります。今後も各業界の規制緩和が進んでいきますが、自由競争といったところでの生き残りによって、当然その犠牲となる企業は出てくるでしょう。しかし、自由競争は経済活動の中では当たり前のことであって、規制によって守られているということ自体が世界標準ではありません。生き残るべき企業が残り、世の中の変化に耐え切れない企業は淘汰されるのは当然のことです。しかも、結果的にメリットを享受するのは、国民になるのです。
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