クラウドコンピューティング

2010年1月1日 金曜日

cloud

クラウドコンピューティングが当たり前になれば、企業の経営者はこれまでよりも安価にITを活用する事が出来るようになります。一方、ITゼネコンと呼ばれる関連に属するエンジニアの仕事が激変するでしょう。

これまでは、企業ごとにシステムをゼロから構築していたため、その都度カスタマイズがかかり、ITに乏しい企業はITゼネコンのいいなりになってお金を払っていました。しかし、クラウド、つまり雲の上の誰かが、最適なシステムを欲しい時に使わせてくれて、使った時だけお金を払うシステムを提供してくれるのです。使い側からすると、システム間の通信規約やフォーマットのずれなどを全く気にする事がありません。

ソフトウェアなどのIT資産をネットを経由して提供・活用できるサービス。クラウドコンピューティング。2010年初めの日経の朝刊には、頻発している単語の1つです。この概念は、個人や企業だけではなく政府や自治体も当然のように導入検討するでしょう。

世の中を騒がせているエコポイント制度。この制度を支えているITシステムは米国のセールスフォース・ドットコムがクラウド型サービスで提供しています。エコポイント制度は短期間の一時的な制度。それならば、システム構築を企業が行うよりも、クラウドを利用した方がお得という意思決定。従来のように高性能コンピューターなどのハードを購入する必要もなく、利用する期間だけ使用料を支払い、何時でも止められます。政府としてもイニシャルコストが必要なく、ランニングコストのみの投資で良いので好都合というわけです。

今後普及するクラウド型のサービスは3つに分類されます。1つ目は、CPUやメモリなどPCのハードウェアの能力を貸し出すインフラ系のサービス。アマゾン・ドットコムは自前のECサイトの運用に使うコンピューターの余剰資源を貸し出してインフラ系のサービスを提供しています。去年から話題を呼んでいるツイッターも06年の創業からしばらくはアマゾンのサービスを活用していました。

2つ目は、業務ソフトをネット経由で利用できる応用ソフト系のサービス。これは先のセールス・フォース・ドットコムや富士通、NECなどがサービスを提供しています。

そして、3つ目は、OSやDBなど、業務ソフトを実行するための基盤を貸し出すプラットフォーム系のサービス。こちらはグーグルやマイクロソフトが展開を始めています。マイクロソフトにとっては、今後自社のビジネスのパイを一度縮小することにもなりかねないので、必死に対応しなければならないのではないでしょうか。

早嶋聡史



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