とあるフランチャイズ(FC)を展開しているお店に顔を出してみました。とても有名なFC商品であったため期待値は相当高く、お店に行くまでワクワクしていました。そして、お店について、担当の店員さんに声をかけたところから悲劇が始まります。感性がまったく違う。少なくともフランチャイズの商品は全く同じですが、それを扱っている店員さんはそこらへんの人みたい。魂が感じられない。本当にその商品の事を理解しているのだろうか?
否。
街のおっちゃんらしき人がFCの権利を購入して商品と外観を揃えただけ。ぱっと見はFCだけあって、その商品の素晴らしさを訴求していますが、ソフトが違う。そしてその違いは店員と接した瞬間に分かります。全く違う!
うーん、FC展開において、上記のような事がよく起きるのではないでしょうか?つまり、全ての肝を商品そのものだと思っている。しかし、商品を説明したり、その商品を届けるプロセスにも重要な要素があります。その商品を顧客に知って頂く活動だって重要だし、その商品についている値札だって、とても重要です。
FC展開においての成功要因は何でしょうか?やはり、商品だけを真似するのではなく、その商品に認知して頂く過程から情報提供、接客、購買の遣り取り、アフターフォロー。購買活動においての全てのプロセスが完璧でなければなりません。そして、そのプロセスをFC展開しているオーナーがDNAとして提供する仕組みを構築しなければなりません。でなければFC展開するたびにその商品の価値が下がると思います。そして長期的に見てブランド崩壊です。
マーケティングでは、ターゲットの選定から始まります。特定のターゲットに対して、そのターゲットが欲しいと思うウォンツや何とかならないかなーというニーズに対して、何らかの形で解決する方法を考えることから始まります。それが商品です。当然、その商品は、なんらかのお客様の解決方法を提供しているモノなので解決するためのコストも大切です。高すぎてはいけないし、安すぎてもいけない。お客様にフィットした値ごろ感で無ければならない。これが価格です。それから、その解決策がそのターゲット顧客にとって都合良く手にはいるように流通を考えなければなりません。どんなに素晴らしくても顧客にとって不便な場所で無ければ手に入れることが出来なければ意味をなさないでしょう。もちろん、ターゲット顧客がその解決策の存在を知らなければなりません。プロモーションやコミュニケーションもとても重要なのです。
これらは、商品に関する事、お金に関する事、流通に関する事、コミュニケーションに関する事、という事で、マーケティングを行うときに常に考えなければならない要素です。マーケティング・ミックスとも呼ばれます。
上記のFC展開は、ターゲットは同じかもしれませんが、マーケティング・ミックスにおいて商品の事しか考えていません。その結果、ものすごく不協和を感じるのです。マーケティング・ミックスの辻褄がまったく合っていないのです。ただ商品をそろえればよい!この考え方はとても危険な発想だと感じました。
早嶋 聡史