景気低迷から消費者の心理経済は冷え切ったままですね。本屋さんをのぞくと生活の細やかな節約ノウハウ本が山積みされています。消費者の節約ムードはしばらく続くようです。
JMR生活総合研究所調べ「消費動向調査」によると昨今の消費者が主に節約しているものは生活費や教育費などの日常的な支出ではなく、レジャーなどの非日常的な支出です。そしてこの傾向は去年の夏頃から継続的に続いています。
同調査の費目を見ると「外食を除く食品・飲料への支出」と「子供の教育費」が支出が増えた要因でその他の要因はほぼ減少しています。更に、「外食への支出」と「旅行やレジャーなどの支出」の減少は突出しています。
では、これらの支出は景気が底を着き上向きかければ増加するのでしょうか?
結論ですが、景気が上向いたとしても消費者の支出は急激に増えないのでは?と考えます。これは不況下の前から消費者の購買行動に変化が生じている事が背景です。
例えば数年前より口にされている若い世代の車離れ、海外旅行離れ、アルコール離れ、ギャンブル離れ、などがあります。社会に出たばかりで最も物欲が多せいな若い世代の物欲が急減しているのです。
過去、団塊シニアが20代の頃、今と違ってモノがなかった時代だったのでオーディオブームを作り、家族を持つ世代になればカローラやサニーなどの大衆車をこぞって購入しマイカーブームを作りました。しかし、ここまで成熟した社会では、昔の団塊ジュニアのようにはいきません。完全に若い世代から物欲が失われているのです。
それでも景気が戻れば消費の変化は考えられます。調査資料を分析すると、「旅行などのレジャーへの支出」「子供の教育費」「趣味、関連書品」の支出は増加すると予測されます。特徴は、住宅や自動車やテレビやAV機器などの大型耐久消費財の伸びが5%以下と極めて低い事です。対して、レジャーや教育、そして趣味などに消費が流れ、従来のストック型の財にはお金が流れにくくなっていることです。特に若い世代になるほど、ストック型の財に関しての意識が薄れている事が分かります。
因みにレジャーに関して、どのような人たちが今後、支出の増加傾向になるのかを調べてみました。結論は男性より女性です。特に消費の傾向が強いのが団塊世代以降の女性で現在の年齢にして58歳以上の方々です。また、少子化世代と言われる現在の20歳~24歳、バブル後世代の25歳~29歳もレジャーに対しての支出をポジティブに捉えています。
最近良く耳にする草食男子と肉食女子。実にうまい例えかもしれません。
早嶋 聡史(はやしま さとし)
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