早嶋です。
CI:Corporate Identity。コーポレートアイデンティティは企業の特徴や理念を体系的にまとめて簡潔に表現したものをさします。顧客から見て企業を正しく識別するためのツールで、CIを外部に公開することで企業の存在を認知させるマーケティング手法です。
現在、とある企業のCIを構築するプロジェクトに参画しています。通常、CIを構築するとき、主に視覚情報であるロゴを中心としたVIが注目されていますが、今回は、聴覚や臭覚まで意識した、いわゆる五感を取り入れたCI構築を目指しています。
本日はその一部、臭覚をCIに取り入れるべく、在る企業と打ち合わせを行ってきました。マーケティングにおいて臭覚を取り入れることについてはブログ「臭覚」でもコメントしましたが、ブランドのイメージを思い浮かべてもらうために、実は視覚よりも効果が高いとの仮説を立てています。
イメージがわかない!という方もいるでしょうからいくつか事例を紹介します。例えば水着を販売している店舗。なんとなく夏のイメージを抱いてもらったら購買意欲が高まると思います。そこで、在るチェーン店では意図的にココナッツの香りを芳香しています。
例えば、スターウッドグループのホテル、ウエスティンホテルでは、ホワイト・ティーという人工的に作られた香りをホテル全体に芳香しています。また、同グループのシェラトンもオープン・スカイというフローラル系の香りを芳香しています。両ホテルとも芳香している香りをコーポレート・センツ(特定の香りをアイコンとしてCI活動を行う事)と位置付けCI活動の一環としています。
例えば、大阪のスーパーマーケット、イズミヤでは実験的に店舗の中でカレーをイメージする香りを芳香しました。すると芳香していない時と比較して売上の違いを確認できたということで、本格的に香りを取り入れたマーケティング活動に乗り出しています。
少し古いですが、ジョニー・デップ主演の映画、チャーリーとチョコレート工場を放映した一部の映画館では、上映中にチョコレートの香りを芳香する演出を行っていました。これにより、あたかもチョコレート工場にいるかのような体験を出来たのです。
他にも変わったところでは、予備校で使われている例もあります。どのような香りを芳香するのか?ずばり集中力持続。これは機能性を持つ香りという位置づけでオフィスの会議室やここ一番のときに将来的に香りを使うシーンが出てくることを予見させられる内容です。
では、実際にどのようにマーケティングに取り入れるか?まず、その企業のCIにマッチした香りを作ります。そして、企業に関わるところで芳香します。例えばショップや店頭などです。また、名刺や販促ツールにもその香りを利用します。例えば企業のノベルティーグッズに香りをつけたり。顧客は無意識のうちにその香りを感じます。そして、繰り替えし香りを意識する度にいつしか企業のことを意識するようになるのです。
センツ・マーケティング(香りを使ったマーケティング)。日本ではまだ大々的に取り組まれていない内容。今後もプロジェクトの進捗状況とその効果をコメントしたいと思います。